修士論文:「偏光ホログラム法を用いた2次元画像処理に関する研究」
論 文 概 要 |
近
年、情報処理・通信分野で高速かつ大容量のデータ処理が可能な光技術が注目されており、実現のためには「光と物質の相互作用」が重要となってくる。その媒
体材料としてアゾベンゼンを利用した研究が盛んに行われており、本研究室ではアゾ色素ドープ複合体液晶(PDLCC)に着目している。偏光ホログラム法を
用いてこの材料に回折格子を形成することで、アゾベンゼン含有高分子膜と比較して高い回折効率と特徴的な偏光変換特性を有することを見出している。 本 研究ではPDLCCの応用として、2次元偏光画像を用いた偏光ホログラム記録を行ない、光の偏光状態と入射角の制御による光画像処理を行った。その結果、 アゾベンゼン含有高分子膜で実現できなかった明暗反転効果や全体の光強度変化といった光画像処理をPDLCCで実現できた。PDLCCの光の偏光状態制御 による光画像処理の理論解析では、光の伝播方向における偏光変調を考慮した3次元の分子再配列をモデルとしたことで説明できた。 |
(査読論文)
1. | Reconstruction of polarized optical images in two- and three-dimensional vector holograms, H. Ono, K. Suzuki, T. Sasaki, T. Iwato, A. Emoto, T. Shioda and N. Kawatsuki, J. Appl. Phys. 106 (2009) 083109. |
(口頭発表)
1. | 2008年3月 第55回応用物理学関係連合講演会予稿集 第3分冊 アゾ色素ドープ複合体液晶を用いた偏光ホログラフィック画像再生 鈴木翔、佐々木友之、川月喜弘、小野浩司 |
2. |
2008年11月 電子情報通信学会有機エレクトロニクス研究会 アゾ色素ドープ複合体液晶への偏光画像の記録・再生特性 鈴木翔、江本顕雄、塩田達俊、川月喜弘、小野浩司 |