焼却灰再利用製品の安全性評価
我が国では、毎年5000万トン以上の都市ごみが排出されつづけ、最終処分場の不足が深刻な社会問題となっています。このため、最終処分場の延命化・資源の循環利用を目的として、都市ごみを焼却し発生する焼却灰の再利用に関する研究が活発に行われています。再資源化した再生製品にはそのままの形状で用いる一次資材分野、塊状に成型固化して用いる二次資材分野(インターロッキングブロックやコンクリート構造物など)に分かれているます。しかし、二次資材については、その製造量や使用量は非常に小さく、また製品からの重金属溶出特性についても明らかにされていません。また、それらを利用するための重金属溶出判定は環境庁告示46号法試験のみが用いられ、利用形態に伴わず問題視されています。
そこで本研究では、これまで未解明である二次資材の溶出現象を把握することを目的に、モデル固化体を作成し、長期間拡散溶出実験を行います。それらの結果をから、実現象に即した二次資材の長期的重金属溶出量予測手法を提案します。環境安全性から見た二次資材の重金属溶出特性を明らかにすることで、溶出特性に適した利用方法を明らかにし、都市ごみ焼却灰の有効利用促進に繋げることを目的としています。