ゼオライト膜を用いたCO2除去による消化ガス中高純度メタン選択的貯蔵システムの開発
石油などの地下資源の枯渇によるエネルギー危機は既に身近な問題となっており、新エネルギーとも言われる自然エネルギーや廃棄物を利用したエネルギーの開発が盛んになってきています。下水道分野においても、嫌気性消化による汚泥中の有機物からのエネルギー回収が着目されてきています。
汚泥の消化処理によって発生する消化ガスは、天然ガスの主成分でもあるCH4を約65%含んでいますが、同時にCO2も約35%含まれています。消化ガスは現在、消化槽の加温やガス発電、地域冷暖房などに利用されていますが、全国の消化ガス発生量のうち約4割近くが利用されずに燃焼廃棄されており、消化ガスの全量が有効利用されていないのが現状です。消化ガスが全量有効利用されない理由として、CO2を含むことによる発熱量の低下及び、貯蔵技術の遅れが考えられます。
そこで、本研究ではゼオライト膜を用いたCO2除去による高純度メタンガス精製及び活性炭を用いた吸着貯蔵により、消化ガスの更なる有効利用促進を図ることを目的としています。