伊藤梓 国際学会参加レポート
2008年9月1〜5日にかけてスコットランドのエジンバラで開催された11th International Conference on
Urban Drainage :11th ICUD(都市排水に関する国際学会)に、姫野修司准教授と藤田昌一客員教授と修士2年伊藤梓の3名で参加して参りました。
写真1 開催地のエジンバラ(街のシンボルエジンバラ城)
写真2 会場のエジンバラ国際会議場にて
(左から 姫野修司准教授、藤田昌一客員教授、修士2年伊藤梓)
3年に一度開催されるこの学会は、今回で11回目。約47カ国から600人の技術者や研究者が参加し、下水道の現状・問題、対策技術について口頭発表やポスター発表を行うほかに、数多くのワークショップが同時に行われます。今回のテーマは12項目から構成されており、中でも以下のテーマについて注目が集まりました。
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モニタリングや流出解析モデルの使用に関する技術
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CSOや雨水(ノンポイント汚染)のに関わる最新の処理技術
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SUDS(Sustainable Urban Drainage Solutions)システム
学会期間中、イギリスの各地で豪雨による浸水被害が頻発し、その様子が報道されていました。世界でも雨水対策は特に深刻な問題とされていることを知りました。
写真3 学会の様子
私の発表は学会2日目のポスターセッション。“Observation and Evaluation of Removal Characteristic of CSOs with a Full-scale Vortex Separator” (実機スワールのCSO除去特性の観測と評価)というタイトルです。
なにを聞かれるのか、英語が聞き取れるのか、ちゃんと答えられるのか・・・不安ばかりが頭をよぎります。
いざ、本番。
わたしのブースにはドイツのスワールの第一人者であるGebhard Waiss氏が訪れ、自らの経験を基に、私たちのスワールについて意見を頂きました。
写真4 ポスター前で始まったWaiss氏との意見交換
(左から姫野准教授、修士2年伊藤、Gebhard Waiss氏)
写真5 最後にWaiss氏と記念撮影
ひとまず初めの訪問者Waiss氏との議論が終わりホッと一安心。この後もスワール関係者が私のブースに訪れてくれました。
学会最後の夜は夕食会。
写真6 夕食会(GARA DINNR)会場での一枚。(左から、藤田夫妻、イタリアのご夫妻。)
写真7 イベントの一つ、民族ダンス「ケイリ」に参加
伊藤は、現地でお会いした日本人から頂いたハッピを着て参加(写真右)。
写真8 エジンバラを背景に
学会5日間を通じて海外の下水道事業者が抱える問題や研究活動の動向を学ぶことができました。私たちが研究するCSO汚濁やノンポイント汚染は、今なお、世界中で大きな問題として取り上げられていました。日本では当たり前のように作成されているハザードマップは海外では珍しく、日本の浸水問題に対する意識と技術力の高さを知りました。
初めての海外ということもあり、言葉の壁を大きく感じていましたが、大切なのは伝えようとすることであり、私が抱いていた不安を解消することができたことも大きな収穫となりました。
11ICUDに参加するに当りご協力頂いた皆様、現地でご指導してくださった皆様、大変ありがとうございました。ここで得た知識や経験を研究活動や今後待ち受ける社会生活で活かしていきたいと思います。
2009年新年号の月刊下水道「新春企画 日本の雨技術を世界に発信!」に藤田客員教授と修士2年 伊藤が書いた記事が掲載されました。
記事はこちら → 藤田客員教授:もっと知りたい西洋事情
→ 伊藤 梓:国際学会入門
文責:修士2年 伊藤 梓