消雪パイプによる打ち水効果の実証

 

1.背景

近年の急激な都市化、高層ビルの乱立や盆地といった閉鎖的空間での人工排熱の滞留が原因で「ヒートアイランド現象」が進行しています。全国各地では、誰でもが取り組める対策として数年前より「打ち水」が注目されていますが、その効果について定量的な評価は行われておりません。一方、長岡市内には冬季の融雪のために地下水を汲み上げて散水する装置「消雪パイプ」の発祥の地であり、市内約500kmに渡り路面に敷設されています。そこで一昨年より私たちは、真夏日に消雪パイプから散水を行い打ち水の効果の定量評価を目的に散水量や散水の時間帯について検討しております。

 

2.目的

過去の実験で、散水箇所と非散水箇所を選定し、温湿度の変化の測定や散水時間等を検討した結果、10分間の散水でも、路面温度が6℃低下、気温11.5℃の低下がみられ、1m2当たり約1Lという極少量の散水量で大きな効果が得られることが確認できました。本年度は、散水面積を拡大させるとともに、大学研究としては地下水への影響や電力使用等についての総合評価を行います。また、最適散水量や時間帯、費用対効果を検討し効率的な打ち水手法を提案し、実用化を目指すと共に、長岡市の温暖化抑制のための新たな環境政策として確立いたします。

 

3.成果

 

 

 

 

 

NHKTeNY(テレビ新潟)からのテレビ取材を受け、読売新聞や新潟日報の新聞には実験の様子が掲載されました。また、昨年は地元のお祭りとタイアップした企画も成功を収めております。