著書紹介
編著:永澤 茂 共著:村山光博/福澤 康/貞本 晃
題名
板紙材の型抜加工−入門編−
B5判 143頁 ISBN 4-906364-42-X 定価6,500円
出版社
亀田ブックサービス 2004年7月26日 (第1版1刷) 発行
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目
次
まえがき
序 論
第1章 型抜加工とは何か
1.1 平盤型抜加工法の特徴
1.2 回転式型抜加工法の特徴
1.3 型抜工程の概要
1.4 抜型加工技術の分類
第2章 基礎力学講話
2.1 楔刃物はなぜ切れるか?
2.2 切断過程における応力の釣合い
2.3 押えゴムの効果について
2.4 半無限弾性体への押込過程
2.5 滑線場理論の概要
2.6 楔の塑性平面への押込力
2.7 矩形押抜具の塑性平面への押込力
2.8 有限厚さの板への矩形押抜具の押込み
2.9 板材の切断特性のまとめ
2.10 回転式型抜機における力の釣合い
2.11 回転式押抜刃の軌跡
2.12 第2章のまとめ
第3章 切刃の基本仕様と潰れ変形特性
3.1 型抜刃の概要
3.2 滑線場理論による楔刃先の変形
3.3 二次元円筒弾性体の接触 3.4 有限要素法による台形刃と円弧刃の潰れ特性
3.5 第3章のまとめ
第4章 板紙の切断加工性
4.1 切断機構の概要
4.2 板紙の切口形状と刃先幅の関係
4.3 刃先形状と荷重, 糸状紙粉発生の関係
4.4 刃先変位の算出について
4.5 板紙の打抜回数と刃潰れの挙動
4.6 切断抵抗と刃潰れの関係
4.7 刃潰れと衝突音響の関係
4.8 板紙の押抜抵抗と面外圧縮特性との関係
4.9 第4章のまとめ
第5章 罫線加工の条件と限界性能
5.1 罫線曲げの基礎力学
5.2 罫線に要求される性能とその評価法
5.3 罫線の形状と加工条件の関係
5.4 罫線部の引張強さと表面割れの関係
5.5 罫線の曲げ特性
5.6 罫線の寄量と曲げ剛性に及ぼす工具の位置精度
5.7 罫線変形特性に及ぼす押罫刃先形状の影響
5.8 第5章のまとめ
第6章 平盤抜型と面板の噛合性
6.1 不均一噛合の存在と修正作業の問題
6.2 むら取り調整機構
第7章 切刃の摩耗挙動の評価
7.1 摩耗の分類と評価の考え方
7.2 回転式摩耗測定試験の概要
7.3 第7章のまとめ
付 録
A. 資料 白板紙の面内引張特性
B. 用語の解説
索 引
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※ 概 要
板紙類の型抜加工の問題は,いろいろな総合技術の体系から構成され
ている.
工具の切れ味と被切断材の変形能を知り,適切な工具の形状と妥当な材質を選定して
良い型をまず製作する必要がある.次に紙器製造の立場から,平盤機の切れむらを解
消して刃の耐久性を確保すること,罫線が確実にかつ表面割れなく形成されるように
配慮すること,印刷塗料の機械的特性(割れ,へげ,摩擦係数の変質等)を安定化する
ための温度管理や,製函工程に必要な罫線剛性の調整をすること,刃先の損傷や紙詰
まりを迅速に診断し修復すること等の多岐にわたる運用技術を必要としている.本書
はこれらのごく一部をさらに単純化して解析・説明を試みたものである.