武藤 睦治 『長岡技術科学大学におけるシステム安全専攻設置の経緯について』
2001年設置の機械安全寄附講座、2002年開設の社会人キャリアアップコース「機械安全工学」を経て、
2006年技術経営研究科システム安全専攻(専門職大学院)の設置に至る経緯について、多くの先生方の
ご協力・ご支援にも触れながら、ご紹介します。
杉本 旭 『安全を、論理学を適用して考える』
「安全の原理」を提唱して久しいが、その発端は、「事故は起こる前は、リスク等、確率論で語られるが、
いったん事故が起こると、何が原因か、だれの責任かなど決定論の扱いとなる」という安全工学の矛盾を突き付けられたことであった。
その時、改めて「安全」は“真か偽か”を問う“推論”、すなわち論理学の対象だと考えるに至った。
ところで、“事故”は、先に原因があって結果として生ずるのであって、本来因果の関係が存在するはずである。
しかし、原因を想定しない限り結果は生じない。そこで、「限界」といえるような被害事故を想定して少なくともそれに対処する原因を推定するという方法を
、論理学の“推論”を適用してきた。なお、この度の講演では、従来安全の目的を「事故を防ぐこと」としてきたのに対して、
安全を「事故の前で止まること」を特徴とする安全の論理学の普遍性について述べたい。
三上 喜貴 『製品安全に取り組んで』
システム安全専攻設立以降の20年は、消費生活用製品の重大事故報告制度やPSアワードの創設、消費者庁設立をはじめ、
製品安全行政における新しい取り組みが推進された20年でもあった。
また、ここ数年を振り返ると、オンラインプラットフォームを通じた危険な商品の海外からの流入をいかに排除するかをめぐって20年ぶりの消安法改正が行われたこと
、新しい製品安全表彰制度がスタートしたことなど、さらなる進化が進んでいる。こうした製品安全行政の流れと対比しつつ、
これと深くかかわってきた自分自身の教育・研究活動の経験を振り返りたい。
平尾 裕司 『機能安全の最前線』
機能安全は、IEC61508では被制御設備(EUC)とEUC制御系、安全関連系間の作用で定義されるが、広義に解釈してコンピュータ制御における安全として考えることもできる。
このようなコンピュータ制御における安全に関する最先端の取り組みとして、安全立証のためのセーフティケース作成に有効なGSNを適用して検証、
妥当性確認のプロセスをその手法に含ませることによって高い安全レベルが求められるシステムにAIを適用しようというAMLASプロジェクトがヨーク大学で進められている。
また、EUの鉄道システムの研究プロジェクトの一つとして、仮想技術によるクラウドシステムで高い安全レベルが求められる列車制御システムを構築する検討が進められている。
本講演では、これらヨーロッパにおける新たなコンピュータ制御のプロジェクトについて、従来システムとの違いと課題を含め述べる。
福田 隆文 『システム安全の20年の総括と今後のシステム安全への期待』
2006年に労働安全衛生法の有害性・危険性の調査が努力義務化された。これにより、リスクアセスメント、国際安全規格が知られるきっかけになった。
最近の国際規格は精緻化しているが故に設計者が理解しにくくなった。また、AI等が安全にも適用されようとしている。
そのようなときこそ、一旦立ち止まり、安全の原理的・理論的側面を確認していく必要がある。長岡技大システム安全工学専攻には、安全を誰もが理解できるように咀嚼して、
社会へ発信をしていただきたい。
門脇 敏 『安全安心社会の構築とシステム安全』
我が国で安全安心社会の構築が叫ばれてから20年以上が経過し,現在もその構築が進展している.
システム安全の考え方は,安全安心社会構築の進展において,安全と安心の両面から大きく貢献している.
本講演では,安全安心社会の構築とシステム安全について概説し,今後の更なる進展について見解を述べるものである.
阿部 雅二朗 『今(近年)とこれから~システム安全の教育~』
長岡技術科学大学におけるシステム安全の教育について、近年実施されてきた改組後の内容を“今”の状況として、その概要を確認、紹介いたします。
安全安心社会研究センターが直近開催した特別講演会の内容も一部参照しながら、教育を中心に、安全にかかわる者がこれから向かうべき方向等について、
ご参加皆様と共に考えるための話題を提供いたします。
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