当研究室は,流体の性質に合わせて風車組とレオロジー組の2つのグループに分かれています.それぞれのグループは研究対象によってより詳細なテーマに分けられます.
- 風車組 : 水や空気などの低分子液体を対象とした流体関連振動の研究
- レオロジー組 : 界面活性剤,液晶,高分子溶液などの固体物理では扱わない非ニュートン流体の流動現象に関する研究
レオロジー組・液晶班
液晶性色素の塗布による偏光膜形成メカニズムの解明
『偏光板』は,液晶ディスプレイの表面だけでなく,偏光サングラス,3Dメガネなど様々なところに用いられています.
偏光膜形成技術には高分子フィルム延伸型と液晶性色素の塗布の二種類の方法があります.
前者の方法は一般的ですが,偏光フィルム成形に複雑な工程が必要で,さらに液晶ディスプレイのガラス基板に接着する工程が必要となります.
フィルムの製造だけではなく接着剤や接着工程の技術も必要で高コストとなります.
後者の方法は液晶ディスプレイのガラス基板に液晶性色素を直接塗布するだけでディスプレイが完成するため簡便で低コスト,かつ大型化が可能です.
しかし,液晶性色素の塗布による偏光膜の形成メカニズムが不明なため,製品に実装できる技術とすべく研究が続けられています.
液晶性色素は特定の方向に光の吸収軸をもつ会合体で構成されています.その会合体が塗布によって配向することで偏光膜を形成します.
しかし,効率よく配向状態を形成できる塗布条件や,液晶から乾燥膜に至る過程での配向状態の変化や制御技術はまだよくわかっていません.
本研究では,液晶性色素の塗布・乾燥過程の挙動を高速度カメラによる偏光顕微鏡観察や偏光解析によって評価し,会合体の配向メカニズムを解明することを目的としています.
Fig. 1 液晶班塗布実験装置図
Fig. 2 液晶班偏光膜1
Fig. 3 液晶班偏光膜2
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