2005/11/17
巻清掃センターおよび白根グリーンタワー見学会
平成17年11月17日に我が研究室の精鋭12名【藤田昌一教授、小松俊哉助教授、姫野修司助手、修士2年3名(上田孝司、大羽澤圭佑、野村敏明)、修士1年6名(井上義康、大嶺誠、金山麻里香、志村俊輔、高橋梢、福間貴宏)】が新潟県旧巻市の鎧潟クリーンセンター(ガス化溶融施設)と旧白根市のグリーンタワー(灰溶融施設)を見学しました。
ガス化溶融とは廃棄物を500〜600℃で蒸し焼きにし熱分解ガスを発生させ、その後残った物(残渣)を1200℃〜1400℃で溶融し、スラグをつくる技術です。熱分解で得られた熱分解ガスはガスエンジンに導入し発電を行い、また溶融スラグは路盤材、埋め戻し材に利用されています。
灰溶融とは、焼却処理して残った焼却灰を1400℃の高温で溶融し、スラグをつくる技術です。
まずは鎧潟(よろいがた)クリーンセンター(ガス化溶融施設)を見学しました。所長の斎藤繁幸様から施設の歴史、概要など丁寧に説明していただきました。
そして溶融施設紹介のビデオをみてから、見学を始めました。
初めに見学したのが、溶融物の出滓(しゅっさい)です。1400℃の溶融物が飛び出る瞬間には見学者全員クギ付けになっていました。まさにマグマが飛び出した様に感じました。ここが一番印象に残りました。
次はごみピットを見学しました。巻地区、西川地区、岩室地区、潟東地区の約16,600世帯(58,000人)分のごみを収集するピットの大きさは迫力がありました。
ガス化溶融する上で重要なポイントは、原料になるごみ質の管理です。そのために、ピット内ではごみ質を均一にするためクレーンがせわしなく動いていました。
また、ビン、カン、ペットボトル類は分別装置に導入する前に手作業で危険なカセットコンロ用のガス缶や、スプレー缶を除去していました。リサイクルするにも一苦労です。(日ごろの分別モラルが大切だと感じました。)
一通りの見学が終わってからは、学生と施設技術主任の佐藤一夫様の間でかなり専門的な質疑応答が始まりました。複雑な技術なので運転管理、運転条件について学生達は興味を持ったようです。
これが溶融物の出滓(しゅっさい)の瞬間です!!
これが58,000人分のごみをためるピットです。
手作業で分別している様子。きちんと自分達で分別する事が大切です。
そしてその次は、白根市のグリーンタワー(灰溶融施設)に行きました。ここは、稼動開始して10年経つという年季の入った施設でした。
初めに所長の三星様から挨拶があり、10年間の歴史を説明して頂きました。長期間の安定した稼動は定期的に運転管理を点検する事が重要といわれていました。
ここではヘルメットを着用し、長谷川人志様、真水学様の引率のもと見学が始まりました。
目前に溶融炉、焼却炉(ストーカー炉)、各種計器、ボンベなどがあり学生達は興味をむき出しにして見学をし、長谷川様、真水様に質問をぶつけていました。
炉を目前にする事が全員初めてだったことで細部まで見学をしていたように感じました。
ストーカー炉内の様子。ごみが激しく燃えています。
質問をしている様子。
(左からM1福間貴宏、真水学様、井上義康、大嶺誠)
今回の見学会は見るもの全てが初めてでとても充実しました。
『ごみ』は分別しなければただの『廃棄物』ですが、きちんと分別し収集日を守って出せば『有価物』に変わると実感する事ができました。
あと100年もすれば『バックテューザフューチャー』の様にごみを燃料とする車ができるかもしれませんね。
そのためにはごみの分別意識を高く持ちましょう!
最後に、我が廃棄物有害物管理工学研究室のために、今回の見学会に協力して頂いた鎧潟クリーンセンター、グリーンタワーの皆様ありがとうございました。
また来年も企画しますので、その際はよろしくお願い致します。
撮影者:M2 大羽澤圭佑、野村敏明
記者:M2 上田孝司