表 柏崎刈羽原発に対するIAEAの調査報告書の要約(報告書より筆者が要約)
1 観測された地震動が設計時の地震動より過大であった。
安全率を見た設計により重大事故にはならなかったが、適切な安全率を決定する体系的アプローチが必要である。
2 地震によりどのような被害が生じるか、確定的・確率的アセスメントにより被害の再評価が必要である。
3 外部からの供給電源は停止せず現在の基準は余裕があると考えられるが、今後は詳細な検討が必要である。
4 複数の配管が同時に外れるなど、地震に起因する共通原因故障の考慮が必要である。
5 火災も地震に起因する共通原因故障として考慮が必要である。
6 地震により生じる物の落下、漏水等が各機器にどのような相互作用を与えるか考慮すべきである。
これは、設計・建設・保守の全フェーズで考慮が必要である。
7 地盤の破壊を考慮すべきである。
8 基礎と固定の破壊を考慮すべきである。
9 反応炉の安全に関してマネジメントはすべて適切に行われた。しかし、放射能漏れの規制当局への報告が遅れた。
外部の緊急対応機関に放射能漏れ情報を迅速に報告するためには、一貫したコミュニケーションとモニタリングシステムが必要である。
10 2件の少量の放射能漏れが観測された。これらの原因は原発事業者により十分理解されている。
参考文献)IAEA, “PRELIMINARY FINDINGS AND LESSONS LEARNED FROM THE 16 JULY 2007 EARTHQUAKE AT KASHIWAZAKI-KARIWA”
NPP REPORT TO THE GOVERNMENT OF JAPAN, 2007
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