労働災害低減の基本は、エネルギーを有し、大きな力を出す機械の運転開始、継続を、安全が確認されていることを条件とすることである。
しかし、現実の作業では、この基本ができないこともある。その際には、人が不安全な作業をしないように教育すること、誤った作業のしにくい機器・機械とすること、
正しい動作を確実に修得できるようにすること等の人の側の対策も大切である。
今回は、人の特性を考慮した設備の安全化を考えたく、上記のヒントとなる分野の知見を講演いただく。
【プログラム】
・12:40~13:00 受付(接続確認)
・13:00~13:10 開会の挨拶(福田 隆文 センター長)
・13:10~14:10 講演1
「安全に働くための作業者行動の理解」
労働安全衛生総合研究所機械システム安全研究部 北條 理恵子 氏
<概要>
人と機械が共存・協調して働く今、安全に作業を行うためには、人もシステムの一部としてとらえ、その行動を体系的に理解することが重要となる。
本講演では、作業者の安全行動の強化と不安全行動の削減を目指す、「産業安全行動分析学」を紹介する。現場で働く作業者の「行動」を定量的に計測し、
客観的に分析・評価し、作業者側からの安全の「見える化」への試みを解説する。
・14:15~15:15 講演2
「人に誤った使い方をさせない安全なものづくリについて考える」
株式会社オーエックスエンジニアリング 山口 高司 氏
<概要>
誤った操作や操作ミスは、取り扱い説明書で注意喚起しても、取り扱いの説明に時間をかけても必ず起こる。
使用者の安全を考える上で、人が誤った使い方をしにくい構造や、誤ったことに気付きやすい構造が設計をする
中で非常に重要である。車いすや自転車などの乗り物を設計してきた立場から、実例をもとに使用者の安全に
考慮しつつデザインや操作性を損なわないものづくりについて考える。
・15:15~15:25 休憩
・15:25~16:25 講演3
「スポーツの競技力向上に関する一考 ~組織作りと技能向上~」
新潟大学 牛山 幸彦 氏
<概要>
スポーツを実施する目的はプロとして収入を得ること、オリンピックをはじめとする国際大会に出場、活躍すること、
国際大会までは行かなくても競技力を高めて自己実現を図ること、レクリエーションとして楽しむこと、健康のためなどがある。
目的は様々であってもスポーツを継続的に実施していくためには組織(仲間)の存在と技能向上が不可欠である。
その様なことからスポーツにおける組織作りとその運営、また合理的に技能向上を行うポイントについて、講演者のコーチングの経験から提言する。
・16:25~16:50 総合討論(司会:福田 隆文 センター長)
・16:50~16:55 閉会挨拶(塩野谷 明 副センター長)