当研究室は,流体の性質に合わせて風車組とレオロジー組の2つのグループに分かれています.それぞれのグループは研究対象によってより詳細なテーマに分けられます.
  • 風車組 : 水や空気などの低分子液体を対象とした流体関連振動の研究
  • レオロジー組 : 界面活性剤,液晶,高分子溶液などの固体物理では扱わない非ニュートン流体の流動現象に関する研究

風車組・縦渦風車・水車

 

 流体中で弾性支持された円柱の下流に,ある隙間を持たせて平板を十字交差配置させることで,Fig.1のように主流方向に平行な回転軸を持つ「縦渦」が円柱の上下から周期的に流出します. これまでの研究では縦渦による共振現象である「縦渦励振」を動力源として,発電に利用するために研究を行ってきました.
円柱後方に流出するkarman渦
円柱後方に流出するkarman渦
Fig. 1 The system of cylinder/flat-plate and longitudinal vortices
 我々はこの縦渦が発生する機構から着想を得ました.Fig.2に示すように,前流の円柱に回転のためのドライブシャフトを取り付け,平板をリング状にした円柱翼風車を開発しました. この風車は縦渦が円柱の片側から定常的に流出することにより揚力が発生して回転力を得ます. 円柱を用いたこの回転機構は,従来の翼型を用いる風車とは全く異なります. そのため研究開発を進めていくことは風車や流体の研究に大きな変化と利益を生むと考えられます.
円柱後方に流出するkarman渦
円柱後方に流出するkarman渦
Fig.2 Wind turbine with circular cylinder blades
 この円柱翼風車は縦渦による揚力の定常的な発生を動力源としていることは分かっているものの,新規の研究のため先行研究がなく,参考資料が少ないため,さまざまな条件における回転の動力特性の解明が急がれます.
 本研究では円柱翼風車の研究おける基礎となる動力特性の解明を目的とします.

円柱翼型風車シミュレーションに関する研究
(博士課程3年 中田 秀輝)

円柱翼風車の動力特性に及ぼす幾何学的因子の影響
(修士課程2年 西村 護)

縦渦を利用した風車の開発
(修士課程2年 菅田 康平)

縦渦駆動水平軸型円柱翼風車の寸法効果に及ぼす形状因子の影響解明
(修士課程1年 黒田 隆太郎)

風レンズ効果を用いた縦渦風車の動力特性の向上
(修士課程1年 下東 史弥)

渦を動力とする揚力装置の開発
(学部4年 定岡 竜雅)

渦を動力とする揚力装置の開発
(学部4年 ENKHLUUN BOLDBAATAR)