核磁気共鳴装置 NMR(ECA400)

機種    :JEOL JNM-ECA400
JEOLのWebページ
設置場所  :物質・材料経営情報1号棟319室
担当技術職員:◯吉田拓也、河原夏江

オートサンプルチェンジャー付で30サンプルの自動測定が可能。

NMRとは?NMRで何がわかるか

スピンと呼ばれる固有の角運動量をもつ原子核は、それによって
磁気モーメントを生じます。強い外部磁場中に磁気モーメントを
もつ原子核を置くと、外部磁場の軸方向に対して“コマ”のように
回転する歳差運動をします(これをラーモアの歳差運動と呼びま
す)。この回転運動の周波数(ラーモア周波数,外部磁場の強さ
と原子核の種類で決まる値で共鳴周波数とも呼ばれます)に相当
する電磁波(RFパルス)を照射すると、“コマ”を外部磁場の軸方
向と垂直な方向に倒すことができます。RFパルスの照射をやめる
と、“コマ”は再び外部磁場の軸方向に歳差運動をしながら戻って
いきます。共鳴周波数は、同じ原子核であれば外部磁場の強さに
よって決まった値をとります。しかし実際には、分子中での原子
核の環境によって原子核が感じる外部磁場の強さがほんの僅かに
異なるため、同じ原子核でも共鳴周波数がほんの僅かに異なります
(代表的な1H核では1,000,000分の1程度,ppmオーダー)。
この僅かな異なりを観測するのが核磁気共鳴法(Nuclear Magnetic Resonance: NMR)です。
例え僅かであっても原子核毎の違いを観測できるため、分子中にどのような環境の原子核が存在
しているかを知ることができます。

NMR測定用の試料について

測定可能な試料
有機物・無機物
試料形状
液体(溶液)、固体
試料に関する注意
学外利用では溶液測定のみ可能です。
試料は溶媒に完全に溶かしてください。不溶物が存在していると分解能が
著しく低下する場合があります。
溶媒には通常は重水素化溶媒を使用します。但し測定核種によっては軽溶媒でも
可能な場合がありますので、不明な場合はお問い合わせください。
常磁性の金属等を含む試料は測定が困難です。
 

JEOL JNM-ECA400の利用について

利用方法
現地利用 
半遠隔利用 web会議システムによる現地スタッフとの協働的な利用
完全遠隔利用 リモートデスクトップ機能による単独での利用
利用補足
機器を直接操作(現地利用)するにはスタッフから講習を受けて操作方法を習得後、
スタッフが行う技能認定試験に合格する必要があります。