フーリエ変換赤外分光装置 FT-IR 4100

機種    :JASCO FT/IR-4100
JASCOのWebページ
設置場所  :分析計測センター212室
担当技術職員:◯上野 悠一、吉田 拓也

 

FT-IRで何がわかるか

物質に赤外光を照射し、透過または反射した光を測定することで、試料の構造解析や定量を行うことが出来ます。例えば、フードパック(PS),ポリ袋(PE),ペットボトル(PET)は,目で見てもどれも透明で区別がつきにくいですが,FT-IR測定すれば区分可能です.IRスペクトルは,その物質の構造の特徴がわかり分子構造を推定することができます.

主な特徴

試料の形態によって様々な測定方法があり、異なった付属装置を使用します。試料の大きさも使用する
付属装置により決まります。

透過測定

試料がフィルムであれば,試料ホルダーにフィルムを貼り付け透過測定を行います.試料は8 mm角以上あれば良いです.(試料ホルダー)

 

液膜法

液体試料の場合,簡単に測定できるので最もよく使用される方法です.直径25㎜のNaCl窓板上に試料1~2滴落とし,その上にもう一つの窓板をおき,液体試料をはさみます.この窓板2枚を枠板にセットし,透過測定を行います.(NaCl窓板(直径25mm×4mm)、KBr窓板の選択可)


拡散反射測定法

粉末試料の測定においてKBr錠剤をつくらず,粉末のまま測定する方法です.直径3 mm×深さ1 mm程度の穴に粉末試料を加え,金属棒で押し付けフラットにして測定します.通常の測定では,粉末試料をそのまま測定するのではなく,標準粉体であるKBrを用いて適当な濃度(5~10 %が目安)に希釈して測定します.この際,試料およびKBrともにメノウ乳鉢を用いて微粉砕する必要があります.(DR-81)


ATR法(全反射測定法)

ATR法は,透過法に比べ前処理不要なため,簡便に分析できます.固体,粉末試料の場合は,プリズムの上(直径2 mm×深さ1 mmの穴)に試料を置いて,加圧クランプで押し付けて密着させます.液体試料の場合は,プリズムの上に試料を置くだけで,スペクトルを得ることができます.(ATR PRO ONE)

JASCO FT/IR-4100測定用の試料について

測定可能な試料
セラミックス・ガラス、有機物・高分子、含水・生物試料
試料形状
液体、固体(バルク、粉末)

1回反射ATR装置における測定の場合,酸・アルカリや比較的硬い試料は不適.IRTracer-100をご検討ください。

JASCO FT/IR-4100の利用について

利用方法
現地利用 
半遠隔利用 web会議システムによる現地スタッフとの協働的な利用
利用補足
機器を直接操作(現地利用)するにはスタッフから講習を受けて操作方法を習得後、スタッフが行う技能認定試験に合格する必要があります。