ESRとは?ESRで何がわかるか
全ての物質に含まれる電子は、固有のスピンをもちます。スピンにより電子1つは非常に小さな“磁石”として振る舞いますが、多くの物質では
(あたかも2つの棒磁石がくっついているか
のように)符号の異なるスピン同士がペアと
なることで、互いの磁性を打ち消し合って
います(反磁性)。
一方で不対電子をもつ物質では、ペアになっていない電子が存在するため磁性をもちます
(常磁性)。このような物質を強い外部磁場中に置くと、電子スピンが外部磁場の向きに対して
平行または反平行の2つの向きに配向します(この現象をゼーマン分裂と呼びます)。
平行に対して反平行はエネルギー的に不利なため、エネルギー準位が分裂します。この分裂した
エネルギー差に相当する電磁波(通常はマイクロ波)を照射すると、電磁波を吸収してエネルギー
準位の遷移が起こります。この現象を電子スピン共鳴 (Electron Spin Resonance: ESR)と呼び、
その様子を観測することで不対電子の有無や定量、さらには周辺環境や構造などの情報が得られ
ます。ESRは不対電子の情報を非破壊で観測することができる唯一の手法です。


(あたかも2つの棒磁石がくっついているか
のように)符号の異なるスピン同士がペアと
なることで、互いの磁性を打ち消し合って
います(反磁性)。
一方で不対電子をもつ物質では、ペアになっていない電子が存在するため磁性をもちます
(常磁性)。このような物質を強い外部磁場中に置くと、電子スピンが外部磁場の向きに対して
平行または反平行の2つの向きに配向します(この現象をゼーマン分裂と呼びます)。
平行に対して反平行はエネルギー的に不利なため、エネルギー準位が分裂します。この分裂した
エネルギー差に相当する電磁波(通常はマイクロ波)を照射すると、電磁波を吸収してエネルギー
準位の遷移が起こります。この現象を電子スピン共鳴 (Electron Spin Resonance: ESR)と呼び、
その様子を観測することで不対電子の有無や定量、さらには周辺環境や構造などの情報が得られ
ます。ESRは不対電子の情報を非破壊で観測することができる唯一の手法です。


ESR測定用の試料について
- 測定可能な試料
- 不対電子をもつ無機物、有機物
- 試料形状
- 固体(バルク、粉末)、液体
- 試料サイズ
- 内径4 mm石英管セルに入るサイズであれば可
- 試料に関する注意
- 誘電損失が大きい試料(水溶液等)は、扁平セルやキャピラリセル等の特殊なセルが必要になる場合があります。センターに特殊セルの用意はありませんので、必要に応じて持参してください。
JEOL JES-RE2Xの利用について
- 利用方法
- 現地利用
半遠隔利用 web会議システムによる現地スタッフとの協働的な利用
- 利用補足
- 機器を直接操作(現地利用)するにはスタッフから講習を受けて操作方法を習得後、スタッフが行う技能認定試験に合格する必要があります。