機種 :Horiba GD-Profiler2
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設置場所 :分析計測センター109室
担当教員 :白仁田 沙代子
担当技術職員:◯小杉 健一朗,上野 悠一
測定対象元素:H~U
水素を含めたほぼ全ての元素を分析可能
GD-OESとは?GD-OESで何がわかるか
固体試料の表面をArイオンによりスパッタリングします.スパッタリングにより弾き飛ばされた原子をArプラズマにより励起させることで,原子発光分析を行います.これにより,試料の表面から数十μm程度の深さまでの領域における深さ方向の元素の分布(Depth Profile)を得ることができます.
表面から数十μm程度の深さにおける元素分析を簡便・迅速に行
うことが可能な装置として,特にめっきやコーティングなどの表面処理,薄膜などの研究で用いられています.
GD-OES(Horiba GD-Profiler2)の特徴
- ★簡便・迅速な表面分析
- GD-OESは高真空を必要としない装置です.排気系はロータリーポンプのみです.そのため,試料室を高真空に維持することが必要なX線光電子分光装置(XPS)やオージェ電子分光装置(AES)などの表面分析装置と比較すると,簡便に分析を行うことができます.また,スパッタリング速度が1~20
μm/minと高速であるため,深さ方向の分析を迅速に行うことができます.
- ★対象元素:H〜U
- 測定対象とする元素はH~Uです.水素を含めてほぼ全ての元素の分析が可能です.
- ★非導電性材料の表面分析が可能
- 高周波方式グロー放電により,金属材料だけでなく,セラミックスやガラスなどの非導電性材料の表面分析も可能です.また,パルススパッタにより試料への熱ダメージを低減することができるため,有機膜などの分析も可能となっています.
GD-OES測定用の試料について
- 測定可能な試料
- 金属、セラミックス・ガラス
- 試料形状
- 固体(バルク)
- 試料サイズ
- 数cm角の平板
- 試料に関する注意
- アノードに付属しているOリング(直径10 mm)よりも試料のサイズが小さかったり,試料とアノードが密着せずに隙間が生じると,リークの発生によりアノード内を真空に保つことができません.したがって,試料は数cm角の平板であること,空気を通さないこと,ならびに試料の表面が平坦であることが求められます.
GD-OESは破壊分析です.測定により,試料の表面(アノード側)に直径4 mm程度のスパッタ痕が形成されます.
定量分析を行うためには,標準試料を用いて検量線を作成する必要があります.また,材料のスパッタリングレートの値が必要です.スパッタリングレートの値が未知の材料の場合,測定後にスパッタ痕の深さを表面粗さ測定機により求め,そこからスパッタリングレートを算出します.
- 試料の調整方法
- 試料は銅製のアノード(内径4 mm)に取り付けます.試料を取り付けた後,アノード内を真空引きすることで試料をアノードに密着させたのち,試料の背面に高周波発振子をセットしてシリンダーで抑え,測定を行います.
Horiba GD-Profiler2の利用について
- 利用方法
- 現地利用
半遠隔利用 web会議システムによる現地スタッフとの協働的な利用
完全遠隔利用 リモートデスクトップ機能による単独での利用 - 利用補足
- 機器を直接操作(現地利用)するにはスタッフから講習を受けて操作方法を習得後、スタッフが行う技能認定試験に合格する必要があります。