機種 :Shimadzu ICPE-9820
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設置場所 :分析計測センター122室
担当教員 :高橋 由紀子
担当技術職員:◯高橋 美幸、吉田 拓也
測定可能な全元素・全波長を一斉に取得できるCCD検出器により,多元素同時分析が可能
軸方向観測(Axial)と横方向観測(Radial)を自動で切替えて両方向観測が可能
ICPとは?ICPで何がわかるか
ICPはICP発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)といい、発光分光分析の一つです.
試料にプラズマのエネルギーを外部から与えると、含有されている成分元素(原子)が励起されます. その励起された原子が低いエネルギー準位に戻るときに
放出される発光線(スペクトル線)を測定することで、試料の定性・定量分析を行うことができます.
波長からは元素の種類、発光強度からは濃度を求めることができます. また、光の観測方向には軸方向 ( アキシャル)、横方向 (ラジアル) があり、軸方向は感度が良く、微量分析に適しており、軸方向ではオーバースケールしてしまう試料濃度やマトリックス成分が多量に混入している場合は、横方向で測定する方が適しています.
当センターのICP発光分光分析装置は、軸方向、横方向の両方での観測ができます.
ICP発光分光分析法は原子吸光法と比較されますが、下記のような特長があるとされています.
①多元素同時分析、逐次分析が可能
②検量線の直線範囲が広く、高感度である(検出下限が10ppb以下)
③高マトリックス試料の分析が可能
④測定可能元素が多い (Zr、Ta、希土、P なども分析できる)
オプション
オートサンプラー :15mLサンプルチューブ60本.
高塩キット :標準使用トーチ(ミニトーチ)から高塩トーチに付け替え,ガス導入部にバブ
ラーを取り付けて使用することが可能.塩濃度の高い試料において使用.
内標準自動添加キット:ペリスタルティックポンプを使用し内標準物質を自動添加して測定.
超音波ネブライザー :マトリックス濃度が低い場合に利用.感度向上が見込める.
水素化物発生装置 :測定感度が悪い元素、As,Se等について水素化ホウ素ナトリウムによる還元反応
により水素化物を生成.マトリックス成分を除去して高感度測定が可能.
ICP-OES測定用の試料について
- 測定可能な試料
- 溶液中の無機元素(71種類、定性・定量)
- 試料形状
- 液体(固体試料の場合は酸で溶液化してください)
- 試料量について
- 20 mL以上を用意してください
(オートサンプラのサンプルチューブは15 mLのため、試料が不足する場合があります.) - 試料に関する注意
- ネブライザーが詰まる恐れがあるため、測定試料に浮遊物、沈殿物がある場合はろ過をしてください.
酸溶解が不十分の可能性や酸の種類によっては沈殿している恐れがあります.
有機溶媒・フッ酸を含むものは不可.
定量分析の場合、検量線試料をご準備ください.
廃液持ち帰り用の空ボトルをご準備ください. - 試料の調整方法
- 数10ppm以下になるように希釈してください.
Shimadzu ICPE-9820の利用について
- 利用方法
- 現地利用
半遠隔利用 web会議システムによる現地スタッフとの協働的な利用
完全遠隔利用 リモートデスクトップ機能による単独での利用 - 利用補足
- 機器を直接操作(現地利用)するにはスタッフから講習を受けて操作方法を習得後、スタッフが行う技能認定試験に合格する必要があります.