透過電子顕微鏡 TEM

機種    :Hitachi HT7700
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設置場所  :物理化学実験棟131-1室
担当教員  :船津 麻美、小松 啓志
担当技術職員:◯小杉 健一朗、江村 望

EDS検出器(Bruker)搭載.STEM/EDSによる元素マッピングが可能
1軸傾斜ホルダーおよび2軸傾斜ホルダー利用可(傾斜角度は±30°)

TEMとは?TEMで何がわかるか

試料に電子線を照射し,試料を透過した電子を結像させて二次元画像として拡大・投影したものがTEM像(明視野像)です.試料によって散乱された電子は対物絞りにより遮られ結像に寄与しないため,試料中での電子の散乱の度合いの違いにより像にコントラスがつきます(散乱コントラスト).TEMで用いる電子線の波長は光学顕微鏡で用いる可視光の波長よりも短いため(加速電圧100 kVの場合3.7 pm),TEMでは試料の構造をナノメートルオーダーで高分解能観察することができます.

TEM(Hitachi HT7700)の特徴

★制限視野電子回折による結晶構造の解析
対物レンズの後焦点面に形成される電子線回折像を観察することで,試料の結晶構造を解析することができます.制限視野絞りを挿入することにより,試料の特定の場所の回折像が得られます.
★STEM/EDSによるナノ領域の元素分析
走査型透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope, STEM)を搭載しています.細く絞った電子線で試料上を走査し,各点で発生した特性X線をエネルギー分散型X線分析装置(Energy Dispersive X-ray Spectrometer, EDXあるいはEDS)で検出することにより,ナノ領域での元素分析を行うことができます.
★像観察はモニターに一元化
TEM像観察はモニターに一元化されており,蛍光板上の像を観察する必要がありません.そのため明るい部屋でTEMの操作を行うことができます.

TEM測定用の試料について

測定可能な試料
金属、セラミックス・ガラス、有機物・高分子
試料形状
固体(バルク、粉末)
試料サイズ
試料は直径3 mmのグリッドに載せます.
試料の厚さは約100nm以下です.
試料の調整方法
粉末試料の場合,試料を水や有機溶媒などに分散させてから,分散液をグリッドに滴下・乾燥させます.バルク試料の場合,イオンミリングや集束イオンビーム加工装置(Focused Ion Beam, FIB)を用いて試料を薄膜化します.

Hitachi HT7700の利用について

利用方法
現地利用 
半遠隔利用 web会議システムによる現地スタッフとの協働的な利用
利用補足
機器を直接操作(現地利用)するにはスタッフから講習を受けて操作方法を習得後、スタッフが行う技能認定試験に合格する必要があります。